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椿姫 パルマ王立歌劇場(初演稿版)

2008/06/29 11:26

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未鑑賞の映像を収録しているので 珍しくオペラブックに手を出してしまいました。
他の映像と一緒に収納出来ないことと 解説が今更なものばかりなことから オペラブックには手を出さないようにしているのですが
映像単品発売は期待薄なことと、ANFで御馴染み(?)の永竹由幸監修ということから 今回は まぁ やむなしです。

未鑑賞の映像は 二本収録されている内の一本。
パルマ王立歌劇場でヴェルディ没後100周年記念として上演された映像。
・カルロ・リッツィ指揮
・ジュゼッペ・ベルトリッチ演出
・ヴィオレッタ:ダリーナ・タコーヴァ,アルフレード:ジュゼッペ・サッバティーニ,ジョルジュ:ヴィットーリオ・ヴィッテリ,他

滅多に使用されることの無い『初演稿使用』の映像で非常に珍しい映像です。
ここでは 初の初演稿使用映像公開となっていますが それは誤りで、過去にマゼール指揮の映像↓があります。(とても内容の優れた映像です。)

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さて 鑑賞してみた感想ですが 個人的には 結構 不満の多い映像でした。
まず ヴィオレッタのタコーヴァが非力。初演稿に対する解釈にも鈍さが見られます。 マゼール盤で体当たりの歌唱と演技を聴かせてくれたチョーフィを先に鑑賞してしまっている不利さを差し引いても 物足りません。
サッバティーニは 優れた歌唱を聴かせてくれますが 不安定で多感な表現が不足しており 若々しさや青さというものの感じられません。
そのためにヴィオレッタとの関係性がアンバランス……
ヴィッテリのジェルモンも 歌唱が軽くて 関心出来ません。
ヴィオレッタの心情を軽視し 軽くあしらう風に軽い部分があるのならば それはそれで良いとして(それでも重い表現が主体であるべきとは思いますが…) そういうのではなく軽い。
それに呼応するヴィオレッタも非力なので 肝心のニ幕の遣り取りなど 全然 盛り上がりません。
まして 初演稿版のニ幕は 現代版とは違って 力技では どうにもならないこともあり
繊細さ深さの両表現の非力さが露骨に表れてしまっています………
そう目立たない役ですが フローラが 珍しく 結構 いい人に描かれていて意外でした。
(フローラって いかにも 下世話で底意地の悪そうな水商売女に描かれる演出が多いですよね……)

リッツィの指揮する演奏は 安心して聴けるものですし 演出も それなりに愉しめはします。
但し、これみよがしに登場するイリュージョンの人は 個人的に好きません……

あと一点 余計な編集上の演出が鬱陶しいです……変な印象的な映像は舞台作品を観る上で 非常に邪魔に感じられますよね?



さて
もう一本 このオペラブックに収録されているの映像があります。
1988年にグラインドボーンで上演された映像で DVD化は されていませんが LDでは既初です。
結構、色々な面で古臭く ゆるい部分も多い映像ですが それなりに面白い部分もありますし…特にグラインドボーンの持ち味もありますし…興味ある方は鑑賞してみる価値があるでしょう。


椿姫と言えば 最近 ↓ようやく ロサンジェルス・オペラの映像を観ましたが これが凄く良かったです。
定番的な舞台に いかにもドミンゴが好きそうな(音楽監督がプラシド・ドミンゴで演出が妻マルタ・ドミンゴ) 恥ずかしいくらいホットでウェットなロマンティック演出w
フレミングの出だしが不安定だったり、表現力は磨きがかかっていても声の衰えは流石にあったり…
ヴィラゾンを筆頭に大胆過ぎる演技に過剰さを感じる人もいたり…逆に緻密で繊細にコントロールされた部分は薄口に感じられたり…という評価も きっとあるだろうし
御歳70にもなるブルゾンには 流石に衰えを感じざるを得ないとか……
劇場の質としても オケは まずまずなのに 合唱は ちょっと頂けないとか……

言い出したら それこそキリはないし まだ椿姫の完璧な決定版とは言い難いかもしれませんが 数ある椿姫映像の中でも屈指の出来ではあると思います。

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まぁ それでも 最も手を伸ばす椿姫は 未だに↓カルロス・クライバー指揮の……もとい、コトルバスの歌う椿姫。
正直、クライバーのドイツ的な演奏もドミンゴ(甘えん坊っぽいところなんか悪くはないんですけどね…)やミルンズの歌唱も 他と比して そう好んでいる訳ではないのですが
コトルバスのヴィオレッタ……特にニ幕の歌唱は 他の追随を許しません。(私の中ではね……)
この音源と同一キャストの映像もYou Tubeなどで一部、公開されており 販売を期待していますが 実際 色々なシガラミで出せないんでしょう……
出したら確実に売れるの間違いなしの映像を、理由無く出さないなんてことは有り得ないでしょうからね……

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一言だけ付け加え
未だ ヴィオレッタは カラスが最高… 他とは 埋められない差があるね…
というくらい生粋のカラス信者の方には
おそらく この頁で紹介している全ての映像音源に あまり面白みを感じないんじゃないかな?と思います………
(なにぶん、求めているものの方向性が違うと思いますので……)
御注意下さい………



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