パリ国立オペラ◇トリスタンとイゾルデ◇Bunkamura
2008/07/28 00:22
トリスタンとイゾルデ
作曲・台本 リヒャルト・ワーグナー
Bunkamura 2008.7.27(日)
トリスタン:クリフトン・フォービス
イゾルデ:ヴィオレッタ・ウルマーナ
マルケ王:フランツ・ヨーゼフ・セリグ
ブランゲーネ:エカテリーナ・グバノヴァ
クルヴェナール:ボアズ・ダニエル
メロート:サムエル・ユン
牧童/若い水夫・船乗り:アレス・ブリシャイン
舵手:ユリ・キッシン
指揮:セミュン・ビシュコフ
演出:ピーター・セラーズ
映像:ビル・ヴィオラ
衣装:マーティン・パクレディナズ
合唱指揮:アレキサンドロ・ディステファノ
映像プロデューサー:キラ・ぺロフ
映像ディレクター:ハリー・ドーソン
映像アシスタント:アレキサンダー・マキネス
パリ国立オペラ管弦楽団・合唱団
まず オペラに関心の無い方でも 注目というポイントがあります。
それは ピーター・セラーズの演出でしょう。
洋画好きな方ならば ロリータ、博士の異常な愛情、ピンクパンサーシリーズくらいには 大抵 目を通している筈ですから ピンと来る方もいるでしょう?
映画では コメディアンの印象が強いですが オペラ演出の世界では 割と挑戦的な演出をする演出家として 既に巨匠の地位を築いています。
今回の演出に関しては、世界的な映像クリエーターであるヴィオラ氏と組み演出をしたという具合なんですが
そうですね……評価は正直 難しかったです。
基本的に 映像というやつが 非常に印象的なもので それ自体を雄弁に語らせたりはせず あくまで語るのは音楽だったりする訳ですが
その割りに 画を音楽の言語と単純に絡めてしまったり、画の印象を優先させて音楽を追従させてしまう部分があって とても五月蝿い……
映像を流す演出に於いて 印象的な画を音楽によって補完させる…という印象を持たせてしまった時点で(演出のための画でも無ければ、音楽のための画でも無くなってしまうので) そもそもにアレだと思うのですけど
それに目を瞑ったとしても この五月蝿さには堪りません……
あえて もう一言 余計なことを言ってしまうと
ビル・ヴィオラという映像クリエーターは 技術的にもセンス的にも この路線で秀でた方とは 正直 私には思えなかったというのがあります。
このくらいの方ならば ポピュラー音楽のP.V.を作成している映像クリエーターの世界にゴマンと居ますですよ………
パリ国立オペラ総裁モルティエ氏 曰く 3億円もかけた映像で
勝負演目であり勝負演出である『トリスタンとイゾルデ』
演出や売りの映像という側面からみると 私からすると かなり微妙です………
さて
音楽に関してですが
こちらは 凄く良かったです。
ビシュコフとパリの織り成す音がワーグナーとして どうか?と言ってしまうと 賛否は分かれてくると思うのですが
そういうアレソレを とりあえず置いて 素晴らしい演奏だったと思います。
正直、私、序曲から あまりに気持ち良くて 早々に あやうくトランス状態に入りそうでしたw
歌手陣は トリスタン役のフォービスにキャラクター的な不満があった程度かな?(歌唱自体は悪くなかったです。)
ウルマーナのイゾルデは 期待通り 立派に歌い上げていました。ま…逆に想像通りで驚きは無かったかな?
それより、今回 脇のレベルが非常に高かったので驚いてしまいましたね。
マルケ王役のフランツ・ヨーゼフ・セリグやブランゲーネ役のエカテリーナ・グバノヴァは評判も良く期待していましたが 期待以上、その他の脇も 目(耳)を引く歌唱でした。
アリアーヌと青ひげでも感じたことですが 端から端まで隙が殆ど無い全体的なレベルの高さが反映した高水準なコンサートという印象が今日は一層感じられました。
実は、去年 ベルリンのトリスタンも鑑賞しており そのトリスタンは(世間の評価は さておき 私的には)去年のオペラ三本指(あと二本は ドレスデンの薔薇の騎士とチューリッヒの薔薇の騎士)に入る内容だったのですが
比較すると
響きでは ベルリンには届かなかったと感じたものの(かなり高次元での話です。)全体的には 粗も少ない上で高水準な演奏を聞かせてくれたパリのほうが上かな?
という印象でした。
シーズンとしては 夏のオフを挟み 昨年9末に開幕した(チューリッヒあたりからかな?)今シーズン 最後の最後で 一番 良かったコンサートかもしれません……
はぁ〜 大満足www
そうそう 行く前には トリスタンのチケット高過ぎとか言っていましたが
今となっては 決して高くない買い物をしたと思っていますw
実際、トリスタン 本日 家を出たのが12時半 帰宅は 8時半。
休憩を除いて 正味3時間半以上(休憩入れると5時間を越しますw)あるオペラなので むしろ割安という印象すらあるのが不思議なところ。
結局、出資の価値は 得られる満足度によって 随分と変わるものでして
数千円のコンサートでも文句タラタラ 時間返せくらい言いたくなるものもあり
5時間以上5万円以上使っても 来週 もう一度 同じ演目を観に行こうかな?と思わさせられるものもあるのです。
流石に 秋にウィーン国立歌劇場とロッシーニオペラフェスティバルが控えているので 今回は 欲張らずに一回の鑑賞にしておきますけど………
もう一つ 余談
今日は (おそらく高額過ぎて)空席も多い中、(おそらく無料で配られたチケットで来られている)ブラウン管やらを通して見たことのある顔が多かったです。
そして、基本的な客層は セレブ系と極度マニアという二分化であったのは言うまでもありません……そして 私は後者www
作曲・台本 リヒャルト・ワーグナー
Bunkamura 2008.7.27(日)
トリスタン:クリフトン・フォービス
イゾルデ:ヴィオレッタ・ウルマーナ
マルケ王:フランツ・ヨーゼフ・セリグ
ブランゲーネ:エカテリーナ・グバノヴァ
クルヴェナール:ボアズ・ダニエル
メロート:サムエル・ユン
牧童/若い水夫・船乗り:アレス・ブリシャイン
舵手:ユリ・キッシン
指揮:セミュン・ビシュコフ
演出:ピーター・セラーズ
映像:ビル・ヴィオラ
衣装:マーティン・パクレディナズ
合唱指揮:アレキサンドロ・ディステファノ
映像プロデューサー:キラ・ぺロフ
映像ディレクター:ハリー・ドーソン
映像アシスタント:アレキサンダー・マキネス
パリ国立オペラ管弦楽団・合唱団
まず オペラに関心の無い方でも 注目というポイントがあります。
それは ピーター・セラーズの演出でしょう。
洋画好きな方ならば ロリータ、博士の異常な愛情、ピンクパンサーシリーズくらいには 大抵 目を通している筈ですから ピンと来る方もいるでしょう?
映画では コメディアンの印象が強いですが オペラ演出の世界では 割と挑戦的な演出をする演出家として 既に巨匠の地位を築いています。
今回の演出に関しては、世界的な映像クリエーターであるヴィオラ氏と組み演出をしたという具合なんですが
そうですね……評価は正直 難しかったです。
基本的に 映像というやつが 非常に印象的なもので それ自体を雄弁に語らせたりはせず あくまで語るのは音楽だったりする訳ですが
その割りに 画を音楽の言語と単純に絡めてしまったり、画の印象を優先させて音楽を追従させてしまう部分があって とても五月蝿い……
映像を流す演出に於いて 印象的な画を音楽によって補完させる…という印象を持たせてしまった時点で(演出のための画でも無ければ、音楽のための画でも無くなってしまうので) そもそもにアレだと思うのですけど
それに目を瞑ったとしても この五月蝿さには堪りません……
あえて もう一言 余計なことを言ってしまうと
ビル・ヴィオラという映像クリエーターは 技術的にもセンス的にも この路線で秀でた方とは 正直 私には思えなかったというのがあります。
このくらいの方ならば ポピュラー音楽のP.V.を作成している映像クリエーターの世界にゴマンと居ますですよ………
パリ国立オペラ総裁モルティエ氏 曰く 3億円もかけた映像で
勝負演目であり勝負演出である『トリスタンとイゾルデ』
演出や売りの映像という側面からみると 私からすると かなり微妙です………
さて
音楽に関してですが
こちらは 凄く良かったです。
ビシュコフとパリの織り成す音がワーグナーとして どうか?と言ってしまうと 賛否は分かれてくると思うのですが
そういうアレソレを とりあえず置いて 素晴らしい演奏だったと思います。
正直、私、序曲から あまりに気持ち良くて 早々に あやうくトランス状態に入りそうでしたw
歌手陣は トリスタン役のフォービスにキャラクター的な不満があった程度かな?(歌唱自体は悪くなかったです。)
ウルマーナのイゾルデは 期待通り 立派に歌い上げていました。ま…逆に想像通りで驚きは無かったかな?
それより、今回 脇のレベルが非常に高かったので驚いてしまいましたね。
マルケ王役のフランツ・ヨーゼフ・セリグやブランゲーネ役のエカテリーナ・グバノヴァは評判も良く期待していましたが 期待以上、その他の脇も 目(耳)を引く歌唱でした。
アリアーヌと青ひげでも感じたことですが 端から端まで隙が殆ど無い全体的なレベルの高さが反映した高水準なコンサートという印象が今日は一層感じられました。
実は、去年 ベルリンのトリスタンも鑑賞しており そのトリスタンは(世間の評価は さておき 私的には)去年のオペラ三本指(あと二本は ドレスデンの薔薇の騎士とチューリッヒの薔薇の騎士)に入る内容だったのですが
比較すると
響きでは ベルリンには届かなかったと感じたものの(かなり高次元での話です。)全体的には 粗も少ない上で高水準な演奏を聞かせてくれたパリのほうが上かな?
という印象でした。
シーズンとしては 夏のオフを挟み 昨年9末に開幕した(チューリッヒあたりからかな?)今シーズン 最後の最後で 一番 良かったコンサートかもしれません……
はぁ〜 大満足www
そうそう 行く前には トリスタンのチケット高過ぎとか言っていましたが
今となっては 決して高くない買い物をしたと思っていますw
実際、トリスタン 本日 家を出たのが12時半 帰宅は 8時半。
休憩を除いて 正味3時間半以上(休憩入れると5時間を越しますw)あるオペラなので むしろ割安という印象すらあるのが不思議なところ。
結局、出資の価値は 得られる満足度によって 随分と変わるものでして
数千円のコンサートでも文句タラタラ 時間返せくらい言いたくなるものもあり
5時間以上5万円以上使っても 来週 もう一度 同じ演目を観に行こうかな?と思わさせられるものもあるのです。
流石に 秋にウィーン国立歌劇場とロッシーニオペラフェスティバルが控えているので 今回は 欲張らずに一回の鑑賞にしておきますけど………
もう一つ 余談
今日は (おそらく高額過ぎて)空席も多い中、(おそらく無料で配られたチケットで来られている)ブラウン管やらを通して見たことのある顔が多かったです。
そして、基本的な客層は セレブ系と極度マニアという二分化であったのは言うまでもありません……そして 私は後者www













コメント
そういうのもしてるんですねぇ (゚Д゚)初めて知りました。
なんだか、大満足のカプにいやんを珍しく見たようなw
Posted by いち香 » 2008/07/30 09:29
ピーター・セラーズって 結構 オペラ界で有名なのですが 映画界では そのことが意外なほどに知られていないのです。
不思議ですよね?
大満足な私 確かに珍しいかも?
辛口というつもりは毛頭なくて むしろ甘い評価をするほうだと思うのですが
結構、鑑賞スタイルがドライなほうなので 大満足と言い切れるほどの興奮をするようなことは
ことの他 少ない気がしますね?
Posted by capriccio » 2008/07/30 23:45